なぜ、この仕事を
続けているのか。
今でも忘れられない、あるお客様がいます。学生時代、ローファーがきっかけで 陥入爪になり、その後何度も痛い思いをしながら医療機関に通われるうちに、 爪甲後湾症へと進んでいかれた方でした。
爪は年々厚みを増していきましたが、それは決して放っておかれたわけでは ありません。お母様と二人で、あちこちを探し歩いた8年間だったのです。 一番おしゃれを楽しみたい時期に、夏でも靴下を脱ぐことができず、 友人との温泉旅行もあきらめる。靴下の上からでも分かるほど厚くなっていく爪を 抱えながら、学生時代から就職後まで、ずっとそうして過ごしてこられました。
自分の人生を謳歌してもらいたい。」
最後にかかった医療機関の先生が、「うちでは対応できないけれど、 民間でやってくれるところがあるかもしれない」と伝えてくださったことがきっかけで、 ようやくこのサロンにたどり着かれました。爪の根元には、8年間ずっと 絆創膏が貼られていました。
本当に、どこへ行けばいいのか分からず困っている方がいます。 そしてこれは特別な一例ではなく、程度の差はあれ、似たような経緯で 辿り着かれる方が少なくありません。最近では、医療機関の先生ご自身が 調べてくださり、「ここはどうですか」とご紹介いただくこともあります。 医療機関を否定しているわけではありません。ただ、そうした中で、 私にできることをしていきたいと思っています。
のべ数千人の足と向き合ってきました。
※回復期病棟・特別養護老人ホームでの勤務、大阪のフットケアサロン勤務時代を含めると、 爪と足のケアに携わって通算26年になります。